望遠鏡 ・ 最適システムの考察




○ 望遠鏡・最適システムの考察 ・・ 基礎データ(1)


シーイングは、その発生部所を区分すると、おおよそ5つに区分されます。即ち、1・中高層のジェット気流。
2・低層の局地気流。 3・敷地、ドーム、ルーフ周辺の気流。 4・望遠鏡本体&ドーム内部の熱による気流。
5・人体の熱による気流。 ・・です。
 

特に冬期間は、日本付近の上空・300hpa付近に強いジェット気流が流れることが多く、恒常的に悪気流が発生します。ジェット気流が北に移行する夏期間においても、局地的な悪気流が発生することがあります。


(参考) 高層天気図00h 12h







○ 望遠鏡・最適システムの考察 ・・ 基礎データ(2)


日本国内の場合、シーイング中の上 (シーイング 6)の気流状態で、星像ボケの直径が、約 2秒角と言われますが、この星像サイズは、口径 120mm前後の理論的エアリーディスク径と一致します。

日本での良好な気流・シーイング時の、調査統計データーは約 1秒。エアリーディスク径は、2秒角。即ち
口径 12〜13cmと同等です。極めて良好な時で、25cmの分解能相当の気流です。 ちなみに、
pickering
スケールの基準は、13cm(5インチ)です。
 シーイングスケール

どんな大口径でも、その
 「2秒角基準」 から逃れることは困難で、口径が増すほどにエアリーディスクから光が溢れ、ジフラクションリングとエアリーディスクが肥大し融合して、星像は巨大化してしまいます。口径本来の
理論分解能には遥かに及びません。

国内では、広島大学等での研究データが公開されています。
 広島大学サイト




(備考)望遠鏡の口径・分解能と、シーイングスケール

やや良好な気流(シーイング6) に対応する分解能(約 1秒)は、口径約 120mm
* 程度に相当します。




シーイングスケール


シーイングの分布は、対数正規分布に近似しています。エアリーディスク直径 の平均値(中間値)、
約 2 秒 の分布、及び 確率度数(頻度) のシミュレーションです。(標準偏差、約 0.5)

気流対応 ・ 概算表 (西日本・夏期)  
シーイング・計算 etc 

シーイング概算 ディスク直径 (秒) 分解能 (mm) 頻度 (%)
10 0.5 480 0.5
0.7 340
1.0 240 10
1.4 170 25
6 * 2.0  120 * 50
2.8 85 75
4.0 60 90
5.6 42 98
8.0 30 99.5
11.0 21 99.9





○ 望遠鏡・最適システムの考察 ・・ 基礎データ(3)


気流の影響は、透過光の屈折レンズのほうが、より少なくなります。

また大口径になると、長時間の温度順応時間がかかります。特に、3枚以上の対物レンズの場合、2枚玉と比較すると、中玉の温度順応が遅れがちとなります。大型鏡筒本体、架台の熱も影響します。

温度順応時間は、2枚玉がより短く快適です。 また2枚玉は、重い対物レンズやセルが軽量になる為にバランスが是正され、より快適な操作が可能です。
時間対効果、費用対効果 も良好です。

対物レンズ・設計概論




○ 望遠鏡・最適システムの考察 ・・ 設置環境 〜公共天文台 (公開天文台) etc。


以上の基礎条件を鑑みると、気流等の影響が少ない設置環境、機材 etc として

1・熱の溜まりやすいドームではなく、より外気に馴染むスライディングルーフが良好。
2・同じく、熱の溜まりが少ない広い芝生に囲まれている方がより良好。
3・望遠鏡の口径は、100〜130mm前後のアポクロマート屈折。
4・2枚玉対物レンズ、操作性の良い中焦点 (F 8 〜9)。

・・等が考えられます。
 







130mm屈折のイメージ (TOA−130)





130mm アポクロマート  


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