○ 望遠鏡、眼視・極限等級テスト
極限等級は、バックグラウンドとのS/N比に関連するので、単位面積あたりの輝度を微調整する必要があります。一般には、瞳径・7mm→3mmまで倍率を上げると、極限等級が約 0.9等。2mmまで倍率を上げると約1.3等向上します (バックグラウンドが2.5^2倍 ≒極限等級1等差) テスト対象として、北極星野付近
、プレヤデス付近、プレセペ付近、こと座周辺付近
他があります。
基本極限等級の計算式は、6.0+ 2.5x log((d/7)^2) とします。 (log は常用対数、d はレンズ直径
mm)
以下、各条件での補正計算を加味しての予測計算です。
73mm屈折・25倍 (瞳径・約 3mm)
基本極限等級 11.1等
基点補正 +0.0
単眼視補正 −0.2
透過率補正 −0.2
高度補正 −0.1
倍率補正 +0.9
精度補正 −0.2
裸眼補正 +0.0
予測極限等級 11.3等
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北極星野、視野 1.5度
11等星が確認出来ます。ほぼ計算上の極限等級が再現されている様子です(星野)
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(補正計算の細目)
基点補正 → 基本の極限等級式は裸眼6.0等での数値(天頂基準)、現況での加算減算
単眼視補正 → 光量減の単眼は−0.2等前後の減算
透過率補正 → レンズやプリズム等の減衰分、上記システムでは概算−15%≒−0.2等の減算
高度補正 → 天頂基準の減衰分、高度45度で−0.2等前後の減算
倍率補正 → バックグラウンドが2.5^2倍 ≒ 極限等級1等差の簡便式(MAX2mm)での加算
精度補正 → 光学システム全体の精度分、ストレール比 50%前後で−0.1〜0.2前後の減算
裸眼補正 → 測定者の裸眼特性の加算減算
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○ 望遠鏡、写真・極限等級テスト
写真極限等級も、バックグラウンドとのS/N比に関連します。眼視と違い、バックグラウンドが2.5倍 ≒極限等級1等差となります。また口径ではなく、基本的に焦点距離の長さ (+スポット直径 etc)で決まります。※
基本・極限等級の計算式は、3.0+ 5.0x log fl とします。 (fl は対物レンズ焦点距離
o)
(極限等級一覧表 ・概算値、 SQM 21
mag/秒 、星像直径 20μm)
| レンズ焦点距離 |
写真・極限等級 |
| 100 mm |
13 等級 |
| 160 mm |
14 等級 |
| 250 mm |
15 等級 |
| 400 mm |
16 等級 |
| 640 mm |
17 等級 |
| 1000 mm |
18 等級 |
| 1600 mm |
19 等級 |
| 2500 mm |
20 等級 |
星野のバックグラウンドの明るさは、理想的な無光害値で平均、22等級/1平方秒 (かみのけ座付近で約 23等級/平方秒)なので、大気の擾乱を考えると、地上からの写真・極限等級は、大口径・長焦点でもこの数値を大きく超えることは困難です。
ハワイすばる天文台等の気流が少ない観測地ですと、夜光(550nm付近)カットフィルター等を使用し、更に画像処理することにより、27等級程が検出可能となります。
ハッブル宇宙望遠鏡は、口径はすばる天文台の30%(2.4m)に過ぎませんが、大気の擾乱が無いために、極限等級は、すばる望遠鏡を超える28等級以上となります。
※ 望遠鏡のカメラ撮像での極限等級は、スポット径が同一の場合、焦点距離が1.6倍で1等級向上します。
理論的エアリーディスク ≒ スポット径でシミュレーションすると・・
75/600mm F 8.0 → 最小スポット直径、10
ミクロン ≒ 3秒角
150/1200mm F 8.0 → 最小スポット直径、10
ミクロン ≒ 1.5秒角
となります。
レンズ光学系以外の要素は、撮像素子の密度、ガイドの精度、気流(シーイング)、ピント調整 etc
があり、
理論写真極限等級を、実際の撮影 (長時間露出)で達成する為には、高いハードルがあります。
(理論まとめ)
望遠鏡の写真性能 ≒ 極限等級、分解能、☆★
基礎条件として、4つの制限があります。
1・背景の制限 (約 22 等級 /
平方秒)
2・気流の制限 (日本での長時間露出 ≒ 星像直径約 2
秒)
3・撮影素子の制限 (3x3 pic ≒ 約
10μm 前後)
4・エアリーディスクの制限 ( F 8 前後)
以上、4つの要件を満たす、最小スペック、12
cm F8 (1000
o ) 前後
極限等級、未処理約 20等級、有処理後約 22等級。
写真性能 (極限等級) は、焦点距離で決まります。(極端な
F値は除く)
適度な小口径で、球面収差等の補正を向上させた方が写真性能が向上します。
(F8、前後が適正、それ以上はエアリーディスクが肥大)
収差補正 ≒ S/N 比の向上、でもあります。
国外の、最高レベルの観測地においては、以下のレベルに到達しています。
(備考) すばる望遠鏡、公式サイト ★
https://subarutelescope.org/Introduction/j_telescope.html
総合星像分解能: 0.2 秒
角 ≒ 口径 60cm、相当 (星像直径約 0.4
秒)
短時間露出のコンポジット撮影 (月惑星・恒星等) の場合は、更に分解能が向上します。
望遠鏡 etc テスト ・ SQM
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