対物レンズ 精度評価




1.ニュートンリングでの精度評価


密着式アクロマートレンズの、r2−r3の曲率の精度は、ニュートンリングの本数で明瞭に判別出来ます。いわゆるニュートンフリンジ・テストです。

波長λ ≒0.55μ、曲率r ≒380mm、直径D ≒80mmの場合、
リング1本分の曲率の差異は、λ*((2r/D)^2) = 0.55*((2*380/80)^2)  ≒0.05mm となります。

曲率の差異を深さの差異に変換すると、≒ 半径d^2/2*r
380mm → 40^2/2*380 ≒ 2.10526mm
380.05mm → 40^2/2*380.05 ≒ 2.10498mm  差異≒ 0.00028mm
即ち、ニュートンリング1本分は、1/2λ に相当します。

レイリー値が、ほぼ1λに相当します。レンズ曲面が滑らかな球面(高い面精度)になっていれば、それを多少超える曲率の差異は認容されます。




2.ニュートンリングとフーコーテスト


上記の曲率の差は、フーコーテストにおける焦点距離の差となります。即ち 1/2λは約 0.05mmと僅かです。
1λで約 0.1mm です。

r1・r4の相手ガラスも精密研磨を行い、ニュートンフリンジ・テスターに使える精度に仕上げます。曲率の差異が多少出来ても、滑らかな球面同士の場合は、美しい同心円のニュートンリングとなります。

r2の場合、面精度の判定及び整形は、純ニュートン反射等と一緒です。Rが小さい故に、レンズ周辺部はアップ&ダウンしやすくなります。




3.回転角等の調整


密着式 アクロマート2枚レンズの接合は、周辺のコバをテープで仮止めします。基本はニュートンリングの形状で、※レンズの偏芯も考慮しつつ、適切な位置(回転角)を正確に決めます。

星像・チャートのテストも同時に行ない、最適なレンズ間隔の調整も行います。コンマ1mm単位の微調整で、像がかなり変化します。間隔調整は小さく切った透明テープが良好です(光を遮ると回折に影響します)

※レンズの偏芯

レンズ研磨において、光軸(芯)精度は重要です。基本偏心量に対し、反射の場合は2倍、レンズの透過光の場合は2分の1(屈折率2)の差異となります。偏芯量がレイリー値を超えると、像ズレを起こすと共に、気流の乱れにも敏感となります。原因は、光学ガラス素材自体の厚みの誤差、研磨過程での誤差等があります。

レンズ加工メーカーでは、鏡面研磨後に「芯取り」をして、外周(コバ)基準での単レンズの芯(光軸)を出し、その後組レンズの偏芯を測定することになります。(参考サイト)
 trioptics.jp




4.チャート・テスト


レイリー値を基準としたチャートでのテストも、よく行われます。テストする距離を決めて、122秒/口径mmの
チャートを作成し、縞模様が分離するかの判定です。縞自体の太さはレイリー値の 1/2です。(0.8mm) 

80mmの場合、分解能は120/80=1.5秒= 0.0004度
tan≒sin0.0004=0.000007

テスト距離 ・230mの場合、233*0.000007≒1.6mm 幅となります。







5.ファイナル・星像テスト


レンズ・テストの仕上げは、二重星で判別します。80mmクラスは、こと座イプシロン ε1-2 が適切です。
レンズ全体の精度が、1λ (ストレールレシオ 80%相当)程度に仕上がれば、下のシミュレーション画像のような美しいエアリーディスクとジフラクションリングを見ることが出来ます。




画像ソフト




★コーティング後の完成レンズ


反射光が減少し、明るさとコントラストが向上しています。





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