アクロマート 対物レンズ研磨U




1.研磨パッドでの鏡面研磨
 

砂ズリが完了したレンズは、鏡面研磨作業に移行します。

一般的に、レンズの鏡面研磨は、研磨パッド(セリウムパッド)を使用します。昔ながらのピッチ(アスファルト)研磨と比較し、研磨面作成の手間、温度調整の手間が著しく短縮されます。

パッドの表面は溝付き、そして裏面は両面テープ付きのものですと、ハサミで丸く切って貼り付けるだけです。レンズ曲面の小さなものは、予め周辺部に切れ込みを入れておくと、キレイに密着します。上手にテープを剥がすことか出来れば、何度も利用可能です。







2.鏡面研磨の詳細。


鏡面研磨材は、セリウムを水に溶かしたものを使用します。ガラスは、円形のベニア板に軽く固定します。
研磨運動は、砂ズリの時とほぼ同一です。以下の3つの動きとします。



A運動  円運動、直径の1.5倍位のモーションで、100回/分 ストローク前後
  ↓
B運動  レンズ(上)の回転運動、40ストローク/回程度のランダム回転
  ↓
C運動  パット盤(下)の回転運動、80ストローク/回程度のランダム逆回転


鏡面研磨は、開始約30分程で半透明になります。全面ほぼ均一に研磨が進んでいればそのまま更に1時間〜1.5時間程研磨します。一般的には中央の方がやや進んで研磨されるときが多い様子です。反転研磨ですと、研磨傾向は逆になる様子ですが、偏芯しやすくなるので注意が必要です。

順調に鏡面研磨が進めば、1面あたり 2時間程度でほぼ全面が透明の美しいレンズとなります。順次、レンズ精度テストを行ないます。




(仮)完成レンズ、及び研磨用ガラス(計 4枚)


レンズ精度テスト


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