デジタル対応、撮影システム etc 




○ デジタル対応、撮影システムの留意点 (1)

アナログ時代との最大の差異は、その分解能(解像力)にあります。

高感度 カラーフィルム(及び一般高感度白黒フィルム)の時代は、フィルムの粒子そのものが粗かった為に、
星像スポット直径、20ミクロン程度を想定すれば問題ありませんでした。

現代のデジタル撮影システムは、その 1/2 倍程度 (10ミクロン)、即ち F 5〜8 光学系の理論最小エアリーディスク直径を、想定する必要性があります。基本光学系の設計から、デジタル対応が必要となります。

デジタルカメラ (APS-C)、1ドットのサイズは約 5ミクロン前後であり、2ドット ≒ 10ミクロン程度+@が、
ガイド撮影での目標となりました。




○ デジタル対応、撮影システムの留意点 (2)


写真での、分解能 &極限等級を向上させる為には、口径ではなく、焦点距離とスポット直径の小ささで大方決まりますが、撮像素子の密度 (ノイズレベル小) も必要です。

また、撮影素子の周辺まで点像にする為には、レンズ単体の精度 + 光軸&直角精度 (センタリング&スクエアリング)の維持も重要です。レンズ光学系 (屈折望遠鏡・望遠レンズ)は、スクエアリングの点で有利です。




○ 星像 スポット直径 試算


デジタル時代の撮影システムの基本は、長時間の追尾精度 にあります。

理論エアリーディスク径 +追尾システム自体の精度 +シーイング +ピント精度 etc のトータル量
≒ 星像スポットの直径、となります。優秀な赤道儀1台でガイドした、各口径のスポット直径の試算です。


星像スポット直径、試算表 (F 5) d 線

口径 (o) 焦点距離 (o) ディスク径 (秒) ガイド精度 ※ ピント精度 スポット直径(秒) (μ)
250 1250 1.0 3.0 0.2 4.2 30.2
200 1000 1.2 3.0 0.2 4.4 26.4
120 600 2.0 3.0 0.3 5.3 19.0
100 500 2.4 3.0 0.5 5.9 17.7
80 400 3.0 3.0 0.5 6.5 15.6


※ ガイド精度 ≒ 追尾システム自体の精度 +シーイング

日本の平均的気流下では、優れたオートガイド追尾システムでも、スポット直径を 5秒未満にするのは、かなりの困難となります。3秒未満になれば、海外の天文台並みです。

ハワイのすばる天文台 (口径 8000mm) の場合、星像スポット直径は、約 2秒です。
日本天文学会
この数値は、口径 120mm望遠鏡の、エアリーディスク径に相当します。

焦点面でのシャープネスは、焦点距離が短い方が有利となります。星像スポットを 20ミクロン未満に抑える為には、日本の平均的気流下では、焦点距離 600mm以下が良好です。 
シーイング・計算 etc




○ 日本向きの、デジタル対応撮影システムは ?


上記、スポット直径のシミュレーションを鑑みると、日本での時間対効果が優れた撮影機材は、気流の影響が少ない、短焦点のレンズ光学系ということになります。

先の、パンスターズ彗星の速写システムを見ても、カメラメーカーの200〜300mm望遠レンズの機動性が目立っており、望遠鏡メーカーが新たに撮影機材を開発するとすれば、400mmクラスのアポクロマート屈折レンズが適切と思われます。





望遠鏡・極限等級 テスト


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