○ 太陽 フィルターの 安全基準 etc




○ 太陽光 の特性


太陽光は、波長の長い順に、遠赤外線 〜中間赤外線 〜近赤外線 ( 780-1400nm / 1400-2500nm) 〜
可視光線 ( 380-780nm) 〜 近紫外線 ( 200-380nm ) 〜 と連続しており、そのエネルギーのピークは、
500nm 付近 (緑色) にあります。

光のエネルギーは、波長の長さに反比例します。 

太陽光のエネルギー分布は、可視光 が約 40 %、近赤外光 約 40 % となっています。







○ 太陽観測用 フィルター に求められる特性


3種 の太陽光、即ち

・近紫外線 
( 280-380 nm)
・可視光線 
( 380-780 nm)
・近赤外線 
( 780-1400 nm)

それぞれに、眼視観測のダメージを減らすべく、透過率を下げる必要があります。可視光線の中でも特に、
青色光 ・ ブルーライト (400-500nm) のエネルギーは強く、この波長は、眼にダメージを与える波長のピークとほぼ一致します。青色光傷害係数 も公開されており、適切に遮蔽することが重要です。


近赤外線
は、ややエネルギーが小さいものの、熱傷害等を防ぐ為に、それなりの遮蔽が必要です。
網膜熱傷害係数は、可視光平均の、約 3 % です。

(備考) 国際非電離放射線防護委員会

http://tenkyo.net/iya/eclipse/icnirp1.pdf




また、ガラス・フィルターの方が丈夫で使用感に優れます。(シート・フィルターは、穴空きに注意)

ケンコー ND-400  2枚重ねで透過率はおよそ、 可視光線 0.0006 % 、近赤外線 0.2 % となります。
http://tenkyo.net/iya/eclipse/glass1.pdf

望遠鏡・眼視観測においては、時間を出来るだけ短縮する必要があります。







○ 太陽観測用 フィルター その定量安全基準 (1)


2009年・世界天文年において、推奨安全基準として、以下の基準が採用されました。

http://www.astronomy2009.jp/ja/project/solar-p/seg.html
http://www.vixen.co.jp/cs/support8.htm

標準規格、JIS T 8141 13 番

可視光線 ( 380-780 nm)  0.00072 %
近赤外線 ( 780-1300 nm)  0.014 %

http://www.toabojin.co.jp/hyo1.pdf

連続、8時間程度の眼視観測 (1倍・肉眼) 対応。


可視光線遮蔽率は、 D5 (1/10万) 0.001 % 以下が、眩しさが少なく良好です
(光の物理量 ≒ 光量 x 時間。 8時間で、太陽直視 0.3 秒分の光量。)



(肉眼 ・推奨基準)

可視光線 ( 380-780 nm) 
透過率、0.001 % 以下
近赤外光 ( 780-1400 nm) 透過率、0.2 %  以下  




○ 太陽観測用 フィルター その定量安全基準 (2)


望遠鏡による眼視観測では、1倍・肉眼と比較して大光量が集光する為に、可視光線〜近赤外域の透過率は、やや厳しく設定する必要性があります。単位面積当たりのエネルギー(輝度)を減少させるためにも、
口径 50mm 位に絞った方が良好です (瞳径 1mm位)

可視光線
( 380-780 nm) は、0.00025 % (満月の明るさ、 可視光線遮蔽率 1/40万) 以下が良好です。

大光量を考慮すると、出来るだけ短時間の使用が望まれます。


(望遠鏡眼視・推奨基準)

可視光線 ( 380-780 nm)  透過率、0.00025 % 以下
近赤外光 ( 780-1400 nm) 透過率、0.05 %  以下 








● 日食グラス、世界の公的規格
 etc

日本の標準規格である、JIS T 8141。 可視光線のリスク変動 (光量の増減)に従い、近赤外線の値も都度計算しているもので、13〜14番 が適正な値です。多くの日食グラスが、この基準値に近いものです。
http://www.toabojin.co.jp/hyo1.pdf

米国 NASA 基準は、1光量基準 (可視光線 0.003 %、近赤外光 0.5 %) やや過大光量です。

http://eclipse.gsfc.nasa.gov/SEhelp/safety2.html


欧州 EN1836:2005+A1:2007(E) 基準は、可視光線のリスク変動を見積もっているにも関わらず、赤外線の
リスク変動を適正に行わず、3 %に完全固定した基準で (閾値有りモデル?、非確率的事象モデル?)、
その計算モデルが不明で、問題があります。
 
http://tenkyo.net/kaiho/pdf/2012_03/2012-03-03.pdf

消費者庁 (赤外線 3% 基準 → ?)

http://www.caa.go.jp/safety/pdf/120518kouhyou_2_1.pdf
金環日食・日本委員会 (赤外線 3% 基準 → ? )
http://www.solar2012.jp/




可視光線と近赤外光のリスク比は、その物理的 etc 要素 に従い、定量比率 (線形モデル)が原則です。

近赤外光の網膜熱傷害係数は、可視光平均の 約 3 %。青色光傷害係数等は、ほぼ 0ですので、仮に
1 : 5の割合で計算すると、近赤外光 ( 780-1400 nm) の総合リスクは、
可視光線の 1/200 となります。

(備考) 国際非電離放射線防護委員会

http://tenkyo.net/iya/eclipse/icnirp1.pdf




太陽観測用 フィルター ・ 安全基準の物理的 etc 要素 (その他一例)

※ 輝度 x 面積 x 時間  (総光量) 




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